子宮蓄膿症

今回はなんとなく元気がないというメスのわんちゃんの紹介です。獣医師としては中年齢で避妊をしてない子が来たら真っ先に考えたくなるのが今回の子宮蓄膿症です。この子もエコーをしてみると本来は見えるはずのない液体が貯留している子宮が確認でき、血液検査でも炎症の値が振り切れていました。

オーナーさん希望ですぐには手術に踏み切れなかったのですが、抗生剤を投与しつつ、術前検査にてそのほかに問題がない事を確認してから手術を行いました。

摘出したものをメスで切ってみると中から膿が出てきました。この膿を感受性検査(どの細菌がいて、どの抗生剤が効くのかの検査)を行い術後にしっかりと抗生剤を投与しました。

避妊が済んでない子で元気がないとなるとこの病気の可能性がありますので、様子を見過ぎることなくしっかりと病院へ連れて行きましょう。

新浦安ペットクリニック

片桐浩基

この記事を書いた人

片桐浩基

日本大学獣医内科学研修室卒業後、東京大学動物医療センター外科系研修を修了。その後、千葉県鈴木犬猫病院の勤務医として診療にあたる傍ら2022年からは日本小動物医療センター画像診断科研修医を務める。2023年、千葉県浦安市に「新浦安ペットクリニック」を開院する。
資格:JAHA総合臨床医・獣医腎泌尿器学会認定医・ペット栄養管理士