慢性腎不全と診断されたら

先ずは一回の血液検査だけでなく、3ヶ月後にも再度確認することをお勧めします。

ちょっと高いだけで

はい、腎臓のご飯ね

点滴打ってね

この治療を勧められたら、まずは怪しみましょう。

明らかに数字が高かったら腎臓に何かしら問題があるとは思いますが、血液検査だけでなく、

エコー検査

レントゲン検査

尿検査

血圧検査

までしっかりやっていくことをお勧めします。なんならおしっこ検査でタンパク質がどれくらい漏れ出てるかどうかがわかる

UPC

も測ることを超お勧めします。

腎臓って弱ってくるとおしっこにタンパク質が漏れ出ちゃんうんですが、それを客観的に測る検査方法です。

僕の先代のヨーキーちゃんは腎臓の数値は少しだけ高いぐらいでしたが、このUPCは0.5未満が正常のところ3ぐらいありまして、他の項目は問題なかったので、すぐに腎臓のご飯とお薬を始めることが出来ました。

何事も早期発見早期治療です。

そのおかげか腎臓の病気はありつつも4年間ほど元気良く生きてくれました。

あとこのこの頃だと腎臓ご飯を早くにやり過ぎるとそれは弊害なんじゃないかって考え方があります。考えた人マジ偉い!

そもそも腎臓のご飯はタンパク質が制限されてる分、脂肪分が多いことでカロリーを補っているのがコンセプトなんですが、タンパク質を制限しているので、食べてる子の筋肉が落ちてしまって、その結果体重減少に繋がっていきます。

論文によると腎臓病の子で体重が増えたまたは変わらなかった群の方が体重が減ってしまった群より長生きできたと言う結果もあります。

また初のコロナワクチン打ってる辺りから出来るようになった記憶があるんですが、

FGF23

って言う検査もあります。

これは腎臓が悪くなってくると、BUN.Creが高くなり、その次にPが高くなり、末期の末期だとNH3が高くなるんですが、そのPが高くなる前にFGF23が高くなるんですが、高くなってから腎臓のご飯を始めた方がいいと言う考え方もあります。

そのために普通のご飯と腎臓のご飯との間の考え方の

早期腎臓食

ってものも出てきました。これは普通のご飯に比べればタンパク質は制限しているけれども、腎臓食ほどは制限してないよってご飯です。これをまずはスタートとして、定期的に検査を行い、いよいよって時に腎臓食に切り替えた方がいいかなと言うわけです。

よって僕の先代の子も検査がその時はなかったので、腎臓食一択でしたが、検査結果によっては

早期腎臓食

でも良かったのかもしれません。

高々数年で新しい知見は面白いほど出てきます。

立ち止まることなく

(嘘、時々こんがらがって立ち止まるかも)

これからも学び続けてワンチャン猫ちゃん、オーナーさんとの生活を支えていきたいと思います。

片桐

この記事を書いた人

片桐浩基

日本大学獣医内科学研修室卒業後、東京大学動物医療センター外科系研修を修了。その後、千葉県鈴木犬猫病院の勤務医として診療にあたる傍ら2022年からは日本小動物医療センター画像診断科研修医を務める。2023年、千葉県浦安市に「新浦安ペットクリニック」を開院する。
資格:JAHA総合臨床医・獣医腎泌尿器学会認定医・ペット栄養管理士